最初のいーっぽ。

ついに退院である。午前中は沐浴の指導。見よう見まねでやってみたけれど、緊張で力が入りまくってるせいか我が子はギャンギャン泣いている。裸にすると不安になって、何かを必死につかもうともがく。その姿が本当に放っとけない。沐浴中支えている手が泡でつるつるすべるので、お湯の中に落としてしまわないか不安だし、必要以上に手に力が入ってしまいそうで怖い。汗だくになって終了。

会計を済ませる。個室の代金が加算されるのは仕方ないとしても、分娩費用が予想以上に高かったので(全国平均プラス4万ぐらい)ちょっと不満である。だってこの古い設備でー? まあ看護師さんたちは気さくでよかったけどさあ。二人目を産むときはたぶん新しい施設になってるはずだからそれに期待するかー。

部屋を片付け、昼食後最後の授乳をして迎えを待つ。車に荷物を運び、我が子の着替えを持ってナースステーションへ。来週の母乳外来と、我が子と私自身の1ヶ月検診の予約を取って最後の説明と着替え。ナースステーションにいる看護師さん全員でエレベーターまで見送ってくれた。なんだか私は感極まってしまって、涙が止まらなかった。感激と、幸せと、いくばくかの不安と、感謝と、とにかくいろんな気持ちがないまぜになって。看護師さんたちは毎日こうして送り出しをしてるのだから、戸惑っただろうなあ。

外はよく晴れている。我が子を胸に抱き、ゆっくりと病院の出口へ向かう。我が子にとっては、産まれて初めての外界である。私にとっても、親子で踏み出す最初の一歩である。これからが本番なのだ。