読書速度測定

http://www.zynas.co.jp/genius/sokudoku/sokutei.html

友人に速読できる人がいて、本をぱらぱらとめくっているように見えて実はちゃんと読んでいると知ったときは心底驚いた。当然、能力としての「すげー!」もあるのだけど、なんていうか、そういう“特別な教育を施された人”が本当にいた!みたいな気持ち。噂には聞くけど、自分の生活圏とはかけ離れたところにあるものとばかり思っていたから。そういえば、絶対音感持ってる人に出会ったときも同じようなこと感じたな。
だいぶ昔、とあるTV番組で「お笑い芸人が速読スクールに通って、一定期間の間にすごい力を身につけて帰ってくる」という修行っぽいことをやっていて、それが案外面白かった。参加したのは新人のお笑い芸人コンビ。名前も顔も、もう忘れたけど。
瞳の動きを追ってみたところ、普通の人は、1行ごと文字の連なり(縦書きなら縦)に従って動くのだけど、速読を身につけた人は行をひとつのまとまりとして捉えるので、縦書きの本を読んでいるのに瞳が横に(右から左へ)動いていく。それがすごく衝撃的だったし驚いた。なんでー!?って。だってそもそも「行」という塊自体が文字じゃん! まずそこ読むべきじゃん!みたいな。そういう読み方が身につくまでにはすごい集中力と体力と努力が要るらしく、コンビの片割れは脱落してしまったけど、もう片方はコツをつかんでかなり上達していた。何分間に何文字とかいう正確なデータは覚えてないけど、とにかくすげー!というレベルまで行ってたと思う。
当然大人だから上達の度合いは遅く、年齢が若ければ若いほど上達の速度も速い。とはいえわずか2週間程度(だったと思う)でこのレベルまで上がるのであれば、子供なら超人並みになるんじゃないだろうか。でも、それってどうなんだろう。つまり、情緒的な問題。文字情報だけ先に脳内に注ぎ込まれてしまって、例えば情景や時の流れや、主人公たちの心の動きや、それに対する自分の感情や、そういったものがどこかに置いてきぼりにされてしまうんじゃないだろうか。それとも感情もハイスピードで展開されていくんだろうか。それとも読み終えたあとで反芻して感情が追いついてくるんだろうか。くだんの彼に実際聞いてみたことはないのだけれど、どうなんだろう。何か心と脳のバランスが大きくずれてしまうような気がして、ちょっと怖い。
あとぶっちゃけ、スクールの講師のスパルタっぷりもアレだし、血眼になって瞬きもせずに真剣に目を見開いている生徒さんたちの姿は、やっぱり尋常じゃない感じがしたけどね。

ちなみに私の読書速度は766字/分だそうで、平均値よりは若干上めとのこと。2回目は少し速度を落として670字/分でした。まあでも通常の読書ではもっと時間をかけてじっくり堪能しながら読むので、平均的な速さ、いやもしかしたら平均よりも遅いかもしれません。平均速度1500字/分とかになると弁護士とか司法書士とか、そういう仕事に就いてる人と同じレベルだそうです。すごいな弁護士って。速読スクール通ったのか。